
肝臓とはどんな臓器か?
3000億個の肝細胞から構成される肝臓は、人体で最も重い臓器で、成人男性で約1200グラム(1.2kg)にもなります。
全身の血液の25%が流れ込み、栄養素の分解、栄養物質の貯蓄、毒素の解毒、胆汁の生産など、多くの化学処理を行っています。
炭水化物は、腸で果糖などの糖に分解された後、肝臓でブドウ糖に変えられて体内で利用できるようになります。
使い余ったブドウ糖は、肝臓がグリコーゲンという物質に変えて、いつでも利用できるように蓄えています。
同じようにたんぱく質やビタミンも分解されて使われ、余ったものは貯蓄されます。
肝臓で作られて十二指腸で分泌される消化液に胆汁がありますが、脂肪を分解する働きがあり、腸の消化吸収を助けます。
古くなった血液中の赤血球は、肝臓で壊され、胆汁の材料となっていきます。
その他にも肝臓は毒素分解をしている
そのほかにも肝臓は、身体に有害な毒素を分解し、無害な物質にするなどさまざまな処理を行っています。
例えば、
アンモニア
↓
分解 「尿素」 アルコール
↓
分解 「アセトアルデヒド(毒素)」
↓
分解 「水、二酸化炭素」
などの毒素分解をしています。
下戸は先天性の場合がある?
お酒が強いか弱いかはアルコールを分解したときに出る、このアセトアルデヒドという毒素をさらに分解する酵素をどれだけ持っているかに比例します。
そのアセトアルデヒドを分解する酵素は、ALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)という酵素で、アセトアルデヒトを酢酸に分解できます。
欧米人と比べて日本人はあまりALDHを持っていないといわれ、なかには先天的に全く持っていない人もいるそうです。
そのため遺伝などによって酵素を全く持っていない人は、いくらアルコールを飲んでもお酒は強くなりません。
酔った状態は麻酔をしたのと同じ状態?
酵素で分解しきれなかったアセトアルデヒドは全身に回り、いわゆる「酔い」の症状を引き起こします。
脳に軽い麻酔効果をかけるのと同じ状態のため、飲みすぎると昏睡状態になったり記憶がなくなったりします。
二日酔いも、分解しきれずに翌日まで残ってしまったアセトアルデヒドが原因です。
このように肝臓はさまざまな化学処理を行っている重要な臓器です。
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