
日本人の3人に一人が肥満遺伝子を持っている?
いつの時代になってもダイエットのことが無くなることはありませんが、肥満の原因として考えられているもののひとつに遺伝子があるのをご存知でしょうか。
分子生物学の進歩によって最近はさまざまな病気にその原因となる遺伝子があることが分かってきています。
食べる量は少ないのに太ってしまう人がいるのも、その人が肥満遺伝子を持っているという可能性があります。
例えば、アメリカには遺伝的に必ず肥満遺伝子を持っているインディアンの種族がいるそうですが、彼らは中年になると全員が太りはじめ、大半が糖尿病になります。
日本人にも、3人に1人ぐらいの割合で、そういう遺伝子を持っている人がいるそうです。
この肥満遺伝子を持っているとカロリーの消費量が少なくなり、そのため食べる量は少なくても太ってしまうのです。
逆に人並み以上にたくさん食べるのに少しも太らない人がいるのも、普通以上にカロリーを消費する遺伝子を持っている可能性があります。
肥満遺伝子を持っている人は運動しても痩せない?
体が脂肪を燃やしてカロリーを消費させるのはアドレナリンというホルモンの命令によるものです。
肥満遺伝子を持っている人は脂肪細胞にあるアドレナリンのレセプター(受容体)に異常があるため、いくらアドレナリンが脂肪を燃やせと命令を出しても反応しないのです。
そのため作った脂肪を使わずに溜め込んでしまうのです。
これが脂肪細胞となります。
しかし脂肪細胞は、自分自身の体の2.5倍までしか脂肪を溜め込むことが出来ません。
それを超えると細胞の数を増やして対応するため、体の体積が増えてしまい結果太ってしまうのです。
日本人の3人に一人が肥満遺伝子を持っている?
肥満遺伝子という特殊な遺伝子を持っている人は摂取カロリーを減らして減量するという方法は効きません。
なぜならそれを裏付ける病院のダイエット指導の結果があるからです。
同じ体重の肥満患者に食事制限によるダイエットを指示したところ、肥満遺伝子を持っていない患者は正常な体重に戻ったが、肥満遺伝子を持った人は体重がほとんど減らなかったそうです。
それはカロリーが消費されにくい体質なため、食事を減らしてもこれまでに蓄積した脂肪は減らず、体重も落ちないのです。
したがってこの場合は、摂取カロリーを制限するよりも蓄積した脂肪を燃やすことを考えなければ減量はうまくはいきません。
実際、食事制限で減量できなかった患者に運動をさせてみたら正常な遺伝子を持っている人と同じように体重が落ちたそうです。
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