
コレステロールは成人病の原因ではない?
中年を過ぎた人が人間ドックのときに一番気にするのはおそらくコレステロール値ではないでしょうか。
成人病といえば多くの人が最初にコレステロールを連想するぐらい、この物質は世間から目の敵にされているような気がします。
これは製薬会社がコレステロール対策をうたい文句に、健康食品を売りがたいがためにCMをがんがん流すのが元凶のような気がします。
それを見た人がコレステロールは成人病の原因であると信じてしまうことになっていると思います。
しかし、コレステロールは直接成人病を引き起こすわけではありません。
むしろ体にとって必要不可欠な物質なのです。
これがなければ人体は健康な肉体を維持することが出来ないのです。
コレステロールが足りないとがん細胞を作る?
脂質の一種であるコレステロールも細胞を作る時に必要な材料のひとつです。
なぜなら、この材料が不足していると新しい細胞を正しく作ることが出来ずにがん細胞を作ってしまうといわれています。
細胞膜が弱いとその部分ががん化するためです。
さらにコレステロールには、ストレスを受けた時に副腎皮質から分泌される抗ストレスホルモンなどを作るという大切な役割があります。
活性酸素によってコレステロールが害となる?
コレステロールが体に害をもたらすときというのは血管の中を移動いているときに活性酸素とぶつかるときです。
コレステロールが活性酸素とぶつかるとリポタンパクが酸化されて梱包がほどけてしまうからです。
リポタンパクという物質は活性酸素と衝突すると、酸化コレステロールを血管中にばら撒いてしまうのです。
そうすると、今度はマクロファージという細胞が登場して、散乱した酸化コレステロールを自分の中に取り込んで片付けようとします。
しかし、酸化されたリポタンパクの数が多すぎると、マクロファージの働きだけでは足りなくなります。
そこで血管壁にある平滑筋の細胞が助けます。
この平滑筋細胞やマクロファージがコレステロールを取り込むことによって生じるのがアテローム(粥状隆起)と呼ばれるものです。
このアテロームは、脳梗塞の原因にもなっている物質です。
このアテロームを調べたところ、中にコレステロールが溜まっていたために、コレステロールが目の敵にされるようになったのです。
コレステロール降下剤をすぐ処方する医者は危険?
コレステロール値が高いと医者はすぐにコレステロール降下剤を飲ませようとしますが、これには胆石という副作用が待ち受けています。
活性酸素によってリポタンパクが破壊されて、コレステロールが本来の流通経路からこぼれてしまうことが問題なのです。
コレステロール自体は必要な物質なのですからそれを減らすことを考えるよりもリポタンパクが破壊されない方法か、あるいは破壊されてごみになってしまったコレステロールを体外に出す方法を考えるべきです。
壊れたコレステロールを対外に出す方法とは?
リポタンパクから放り出された壊れたコレステロールは、どう処理すればいいのでしょうか。
体内の不要物は、大便か尿に混じって排泄されるのが普通です。
ところが水に溶けないコレステロールの場合は腎臓で処理できないため、胆汁に混じって捨てられてしまうのです。
ただし、それには条件があります。
レシチンという物質と一緒になったとき、コレステロールは胆汁として出て行ってくれるのです。
梱包ガほどけてもすぐにレシチンがコレステロールを道連れにして体内から出て行ってくれるからです。
この時にビタミンCとビタミンEが後押ししてくれます。
このレシチンという物質は卵の黄身や大豆などに多く含まれています。
これを十分に摂取すれば余分なコレステロールは排除されアテロームも発生しません。
つまりリポタンパクを守るためには活性酸素を排除してくれる物質を摂取すればいいのです。
こういう物質を食べ物から摂ることが大切になります。