
リンパ液とは?
リンパ液というのは毛細血管から染み出した血漿とリンパ球が流れていて、血液とは別に全身を巡るネットワークです。
そもそも「リンパ」という言葉の語源はラテン語で、その言葉の意味は「湧き水」という意味です。
リンパ液は、血液のようにポンプの力で体内を流れるわけではなく、大体骨格筋の収縮によって流れています。
リンパ液が病原菌と戦っている
リンパ液の中には病原菌と戦うリンパ球や、古くなった細菌などが含まれています。
これらの物質を処理することができるのが全身に800個あるリンパ節の役目であり、老廃物をろ過し、リンパ管内でリンパ球が病原菌に負けた場合に、免疫応答を発動して侵入してきた病原菌と戦います。
ここでも病原菌を止められないと、病原菌が全身に広がり、敗血症などの病気になります。
リンパ管は、リンパ節で合流しながら、やがて一本にまとまって血管と合流します。
このようにして染み出した血液の成分が全身を巡ってまた血液に戻ってくるという、循環が出来ているのです。
また、このリンパ管には静脈のように弁がついているので逆流は防がれていますが、足の指先などに溜まることがあり、足のむくみの原因になります。
リンパ球の抗体ネットワークとは?
血液中とリンパ液の中にいるリンパ球は、大きく分けてT細胞とB細胞に分けられます。
T細胞には、他の細胞に指令を出す「ヘルパーT細胞」、パーフォリンというたんぱく質を使って病原菌を攻撃する「キラーT細胞」、ヘルパーT細胞の働きを抑制する「サプレッサーT細胞」があります。
B細胞にはヘルパーT細胞の助けによって、病原菌を破壊したり、働きを弱めたりする効力があります。
例えば、体内に病原菌が侵入したとすると、B細胞が集まってきて病原菌と遭遇します。
B細胞によって病原菌が全滅すると、サプレッサーT細胞がヘルパーT細胞の働きを抑える指示を出して、攻撃が終了します。
このように体液性免疫と呼ばれる免疫は、ヘルパーT細胞とB細胞の連携によって行われます。
また一度作られた抗体は、抗体を作ったB細胞が死んだ後も受け継がれるため、同じ病原菌が侵入してもすぐに攻撃できるのです。
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