
胃液の主成分はヤケドするほどの強塩酸!
最近では、胃酸があまり分泌されず、少ない人が増えてきているそうです。
胃の表面の胃腺から分泌される胃液は、一日1.5~2.5リットルにもなります。
胃液の主な成分は、胃酸と消化酵素です。
胃酸は強い塩酸が主成分で、もし皮膚にかかればヤケドするほど強力です。
食物を殺菌したり、発酵や腐敗を防いだりする働きがあります。
胃壁を守っている粘液とは?
消化酵素は「ペプシン」という物質で、胃腺から分泌される「ペプシノーゲン」という物質が、塩酸によって活性化されて変化したものです。
ペプシンは、たんぱく質の大きな分子を分解でき、十二指腸から先で行われる本格的な消化吸収を助けます。
胃の表面はたんぱく質で出来ているため、そのままだと胃液で溶けてしまいますが、それを防いでいるのが胃の表面を覆う粘液(ムチン他)で満たされた膜です。
胃の入り口である噴門の周辺からは、胃壁を覆う粘液が分泌され、胃の出口である幽門の周辺からは、奥の消炎器官が傷つかないように酸性化した消化物を中和する粘液を分泌しています。
胃潰瘍の原因とは?
胃酸と粘液の分泌バランスが崩れると胃の壁に穴が開く胃潰瘍になってしまいます。
胃潰瘍の主な原因はストレスといわれていて、胃は自律神経の影響を強く受けるため、悩み事があったり、長く緊張したりしていると自律神経がバランスを崩して胃の粘膜が分泌されなくなります。
この状態のまま強い塩酸である胃酸が分泌されてしまうと、胃の内側のたんぱく質が耐え切れなくなってしまい穴が開き胃潰瘍となってしまうのです。
また、胃薬を使いすぎたり胃酸を中和する飲食物を取りすぎると、胃酸の分泌がされない状態が長く続いて、胃の中で細菌が繁殖してしまいます。
そうなると粘膜が弱くなり、胃液が分泌されたときに胃を傷つけてしまいます。
ピロリ菌が胃潰瘍や胃がんの原因となる?
他にも、1983年に発見されたヘリコバクター・ピロリ菌という細菌も、胃潰瘍や胃がんと関わっているという説もあります。
その理由は、胃の粘膜に住むこの菌が繁殖した場合、胃酸を中和し生きているため胃液の分泌が状態が長く続き、細菌が繁殖して粘膜が弱くなり、再び胃液が分泌されたときに胃を傷めて胃潰瘍となってしまうという説です。
あわせて読みたい記事
-
アレルギーの原因とはなんなのか?免疫寛容について
-
EPAはアトピー性皮膚炎や喘息にも効く?EPAの効能とは
-
マスクをしてもインフルエンザは人に伝染る?本当は意味がないのか
-
動脈硬化を防ぐことができる?もろくなった血管をよみがえらせる食材とは
-
アルミニウムがアルツハイマーの原因になる?アルツハイマーの原因とは
-
高齢者に多い骨粗しょう症とは?その原因と病気の症状
-
「盲腸」といわれている虫垂炎の原因とは?人間に虫垂はいるのか
-
難聴の原因は加齢だけじゃない?その意外な原因について
-
熱中症には水分の補給とともに塩分の補給も必要
-
膀胱炎や尿道炎、尿崩症など・・尿に関する病気について
-
血圧降下剤には脳血栓を起こす可能性があった?高血圧を改善する健康食材とは
-
食品アレルギーやアルコール中毒の原因だった?リーキガット症候群とは
-
脳血栓が再発する原因は局所ホルモンに原因があった?脳梗塞を防止する薬とは
-
三大成人病のひとつであるがんとは?またがんに効く免疫について
-
口内炎の原因とは?その様々な要因について
-
日本三大死因の原因は動脈硬化にあった?動脈硬化の原因とは
-
「痛みの王様」と呼ばれる尿路結石の原因とは?
-
糖尿病への正しい認識をもとう!糖尿病予防になる食事療法とは
-
卵を積極的に食べるだけで心筋梗塞を防げる?心筋梗塞の予防法とは
-
発熱はどうして起こるのか?風邪をひくとのどが痛くなる理由