
小腸とはどんな臓器なのか?
小腸は下腹部に折りたたまれるように入っている臓器で、全て伸ばした場合の長さは6m~7mにも達します。
食物は小腸を3~5時間かけて通過し、その間に栄養分が吸収され、食べた食物はどんどん小さくなっていきます。
栄養分を吸収するため、小腸の内側にはひだがあり、表面は「絨毛(じゅうもう)」と呼ばれる突起で覆われています。
さらに、絨毛の表面には細やかな突起があり、この微絨毛の表面に栄養を吸収する細胞があります。
十二指腸が胃酸から酵素を守る?
小腸の一部に十二指腸がありますが、ここで「すい液」が分泌されて食物が消化されていきます。
すい液はアルカリ性なので、最初は胃の強力な胃酸で酸性を帯びていた食物も徐々に弱酸性となり、消化酵素が働きやすい状態になります。
栄養素は酵素の力で次々と分解され、微絨毛の栄養吸収細胞から吸収されます。
ブドウ糖やアミノ酸は毛細血管を通って肝臓へ、脂肪酸はリンパ管を通って静脈に送られ、全身を巡っていきます。
大腸はどんな臓器なのか?
口から入ってきた食物は、胃、小腸と消化吸収されながら通ってきます。
そして最後に大腸で、食物は大便になります。
大腸の長さは約1.5mあり、食物の水分を吸収することが主な働きです。
大腸には一定の間隔でくびれがあり、くびれの間でいったん食物を溜めることで水分を吸収しやすい構造になっています。
小腸を出た食物はどろどろの状態ですが、大腸の中で水分を搾り取られて4分の1の大きさまで縮みます。
大便が茶褐色になるのは、胆汁に含まれる「ビリルビン」という物質が大腸の細菌と反応したためで、大腸に食物が長く停滞するほど大便は濃い色になっていきます。
大腸はには大量の細菌が潜んでいる?
胃の内部では、胃潰瘍の原因になるといわれているピロリ菌のような特殊な細菌しか生息できませんが、大腸の内部はたくさんの細菌が生息しています。
その数は1000種類に及び、100兆個以上の細菌が活動しているといわれています。
これらの細菌を腸内細菌と呼び、大きく分けて善玉菌と悪玉菌に分けられます。
善玉菌は、乳酸菌や酢酸菌で、腸の働きを高めたり、腸内細菌のバランスを整えて免疫機能を高めたりする働きがあります。
その一方で、大腸菌、ウェルシュ菌に代表される悪玉菌は、便秘や下痢、がんの原因になったり、悪臭の元となるガスを発生させたりと悪い働きしかしません。
大便の臭いが臭い理由とは?
大便の臭いは、大腸の悪玉菌がたんぱく質を分解するときに作られる「硫化水素」などの臭いです。
赤ちゃんには悪玉菌があまりいないので、大便もそんなには臭いませんが、年をとるにつれてだんだんと増えていくといわれています。
善玉菌の栄養分が食物繊維なのに対し、悪玉菌の栄養分は動物性たんぱく質のため、欧米型の食事よりも和食の方が、腸内の悪玉菌の働きを抑えることができます。
断食などで善玉菌を優位に立たせ、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えるというのもおすすめします。
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